バーククロス開発日記 Vol.2

こんにちは。

RICCI EVERYDAYの仲本千津です。


ウガンダが生誕の地である人類最古の布、「バーククロス」を使用したバッグの開発の様子をお届けする”バーククロス開発日記”。8月のお披露目まで、皆さんに不定期でお伝えしていきたいと思います。

今回は第2弾をお届けいたします。

 

 

ウガンダ唯一の(と言っても過言ではない)特産品を使った商品開発をしようと決めてから、バーククロスの歴史に興味を持つようになりました。簡単にまとめてみたのですが、バーククロスは文字通り、ウガンダの歴史とともに歩んできた営みであることが分かりました。

 

バーククロスが使用されていることが確認されたのは12世紀のこと。それは綿花がウガンダで広まるよりだいぶ前の話で、「人類最古の布」とも呼ばれています。

 

ウガンダの中でも南部に位置するブガンダ王国で特に広まっており、カボゴザを長とするンゴンゲ・クランと呼ばれる氏族がバーククロスの生産を担っていました。彼らの手で作られたバーククロスの中でも品質の高いものは王族に献上され、様々な儀式で使用されていました。バーククロスの身につけ方によって王族の地位がわかったというほど、ブガンダ王国とバーククロスは密接な関係にあったのです。

 

19世紀に入り、綿花の生産が中東の人々によってもたらされたのと相まって、バーククロスの需要は減少していきます。また植民地主義が広がる中で、支配層はバーククロスがウガンダの文化的象徴であったことから、それを禁止させることで自分たちへの服従を強いました。とはいえ人々は細々と精神的儀式にバーククロスを使うことで、その文化を絶やすことなく受け継いでいきました。

 

1953年にウガンダ国内で独立の運気が高まる中で、バーククロスはその象徴的な存在となりました。王国へ忠誠を尽くすものたちはバーククロスを身にまとい、植民地支配層に抵抗しました。そして1962年にウガンダが独立を果たします。その後の動乱の中で王国の支配が終わるとともに再びバーククロス文化も弱まりますが、これまでの歴史的背景や人々の生活に根付く生産背景が評価され、2008年にユネスコによって無形文化遺産として登録されるに至るのです。


次回のバーククロス開発日記もどうぞお楽しみに!

 

(出典)

https://ich.unesco.org/en/RL/barkcloth-making-in-uganda-00139#:~:text=Barkcloth%20making%20is%20an%20ancient,the%20rest%20of%20the%20community.

https://www.nationalgeographic.com/travel/article/bark-cloth-textile-clothing-unesco

https://tdsblog.com/barkcloth/