女性と男性がチームメイトとして協力できる社会を目指して ~コミュニティコンサルタント 松澤ダンフォード亜美さん~

こんにちは。RICCI EVERYDAY The Hill(代官山直営店舗)メンバーの髙井です。


今回は、「私のエンパワーメント・ストーリー」として、5/2のスペシャルインスタライブに登場していただいた、コミュニティコンサルタントの松澤ダンフォード亜美さん(以下、亜美さん)をご紹介します。


このスペシャルインスタライブでは、代表・仲本とともに「ジェンダー」をテーマにお話していただきました。そこでお話しいただいた内容についても触れながら、ご紹介していきます。



  • 亜美さんについて
  • ジェンダー問題について意識したきっかけ
  • ジェンダーギャップ指数から考える海外との比較
  • 日常生活で意識していること
  • 今後


    1. 亜美さんについて


     

    コミュニティの企画や活性化についてアドバイス・実務を行うコミュニティコンサルタント。大手外資系企業数社に勤めた後2017年独立し、フリーランスとして活動しています。日本・海外に顧客を持ち、2008年に立ち上げたNPO法人LunchTripの共同代表理事として、食から異文化を学ぶイベントを、国内4拠点や海外、保育園、オンラインなどで開催し続けています。

    プライベートでは旅を趣味とし、世界を旅しながら働く「ワーケーション」を実施。40カ国以上旅するトラベルコラムニストでもあります。

    最近は、流産・死産を経て妊娠していることから、ジェンダー役割やオンライン医療などについての記事を多く書いています。


    代表・仲本とは、大学時代の同級生で、サークル活動やボランティア活動を通して親しくなったそうです。



    1. ジェンダー問題について意識し始めたきっかけ

    亜美さんがジェンダー問題について意識し始めたのは、ご自身が流産を経験した時でした。この時、たくさんの知り合いからメッセージをもらう中で、メッセージをくれた一人一人が、不妊や流産など、それぞれの悩みを抱え、それを隠しながら普段の生活を送っていたことを知ります。

    それは、メッセージをもらうまでは知りえなかったことで、こういった女性特有の悩みを「隠さなくてはいけない社会」に違和感を感じたといいます。


    この問題に対して、「自分が声を上げていかなくては」「書かなくては」と感じたそうです。


    最近では「生理の貧困」についてのニュースや、「生理ちゃん」といったキャラクターが話題になり、今までは人前で話すことがタブー視されていた生理についての理解が、少しずつ進んできていることにも触れ、「これをきっかけに、ジェンダーのことや妊娠・出産のことなどの、女性特有の悩み(ジェンダーは女性に限りませんが)について話すことが「恥ずかしいことではない」という意識が社会全体でもてると良い」とおっしゃっていました。


    また、ご自身がジェンダーにとらわれずに、体の不調を相手に伝えたり、相手にもそれを言って良いんだと伝えたりするようになり、より自分自身もオープンになったそうです。



    1. ジェンダーギャップ指数から考える海外との比較

    女性特有の悩みについて少しずつ理解が進んできている中、世界経済フォーラムの発表した2021年のジェンダーギャップ指数は、日本は120位で依然として低いままです。2016年は110位で5年で10位下がってしまったことについて、「日本の状況が悪くなったというよりは、日本が変わらないのに対して他の国々が変わったからだ」とおっしゃっています。


    どのようにすれば改善してしていくのかについて、亜美さんと仲本は女性の政治家を増やすことに触れています。


    仲本はウガンダの隣国ルワンダを例に挙げています。

    ルワンダでは1994年に民族間の争いから発展した大規模な虐殺が起き、その影響で男性の人口が減ったため、必然的に女性の人口比率、そして女性議員の比率が上がりました。(現在は60%以上が女性)そのことによって、女性の立場からの政治が行われるようになり、女性の財産権が認められるようになるなどの良い影響があったそうです。


    きっかけは悲しく、繰り返されてはならない事件でしたが、女性議員が増え、社会が変わったという事実は、日本も参考にしていかなくてはならないと思いました。


    「男女問わず、日本の女性の課題感を理解してくれる人が今必要とされている」と、仲本は話します。


    亜美さんはノルウェーと台湾の事例について触れています。


    ノルウェーでは労働力不足から女性の社会進出を推進したことから、変化する時というのは「こうだと良いね」と言っている時ではなく、社会的に「こうならなくてはいけない!」と必須の時だとおっしゃっています。


    亜美さんはよく日本に滞在経験のある海外の友達に「日本の生活は最高。でも日本の女性として日本で働きたくない。」と言われるそうです。それは、「日本の女性は、常に美しくいなくてはならなかったり、家事・育児・仕事などやらなくてはいけないことが多かったりして大変だから。」だそう。


    このことは私たちが普段当たり前の「義務」のように感じていたことが、本当はそうではなく、日本の女性を生きにくくさせている原因になっていることがわかる言葉だと思います。また、社会が変わる必須の時というのは、私たちにとっては「今」なのだと感じます。


    また、台湾は同じアジアでもLGBTQフリーで、多様性が認められている社会だとおっしゃっています。そのことはテレビで流れるCMの違いからもわかるそうで、日本のCMでは「家事はお母さん、仕事はお父さん」といった固定概念にとらわれた役割分担がまだまだ見られます。


    私たちが考えていかなくてはならない課題はたくさんありますね。



    1. 日常生活で意識していること

    無意識のバイアス(アンコンシャス・バイアス)について理解するようにしているという亜美さん。


    例として、性的マイノリティであることをネタのように扱うことや、家族に対して「彼氏できた?」のように、暗に性的対象を決めつけるような発言をしてしまうことを挙げています。また、女性らしさや男性らしさを強要するような発言(女子力、男は泣くななど)にも気を付けているそうです。


    皆さんの中にも、このような発言をしてしまったことがあったり、逆に言われたことがあったりする方も多いのではないでしょうか。私もどちらの経験もあります。もしかしたら、無意識のうちに誰かを傷つけたり、古い固定概念の再生産をしたりしていたのではないかと、ハッとさせられました。


    性別にかかわらず、一人一人が自分の好きなものを、押し付けられるのではなく選んでいけることが大切なのだと感じました。



    1. 最後に

    「ジェンダーギャップを埋めるためには、一部だけを変えていくのではなく、社会全体を変えていかなくてはならない」と亜美さんは言います。


    家庭においても、男性の家事参加などの課題に対して、一面を切り取って考えるのではなく、女性と男性がチームメイトとして家庭を作っていく意識が必要。国でも家庭でも、男女が仲間意識をもって、互いに苦しいと思うことは無くしていく必要がある、とおっしゃっています。


    このインスタライブを通して、「ご自身の経験を伝えよう!」という思いで社会に還元していく亜美さんのバイタリティーを感じ、私も見習っていきたいと思いました。

    また、私たちがすぐに社会を変えることはできなくても、自分の周りの世界から変えていくことはできるのではないかと、考えました。普段の会話やSNSなどを通して、少しずつ周りの人たちに感じたことや知ったことを伝えていくことが、社会をより良くする第一歩になるのではないでしょうか。


    また、仲本が言う「キャリアを目指す女性がぶち当たる『ガラスの天井』のような問題と、『生理の貧困』のような女性の貧困問題という、両極端な問題が同時に存在していることを知っておかなくてはいけない」という事実も、ジェンダー、特に女性の問題について考えていくときに大切にしたい意識だなと思いました。



    亜美さんと代表・仲本のスペシャルインスタライブの配信はこちらからご覧になれます。


    コラムには書き切れなかった、ジェンダーについてのかなり深い話を聞くことができます!ぜひ、お時間がある時にご覧になってください。