アフリカンプリントの歴史といま

アフリカン・プリントは、植民地の歴史の中で西アフリカで生まれました。大航海時代に、オランダが当時植民地国の一つであったインドネシアの伝統的な染色技法を、同じく植民地として統治していた西アフリカ諸国に伝えたことが始まりです。現在にいたるまで、伝統的な生産方法からより大量生産が可能な近代的な方法まで、様々な技法によりアフリカン・プリントは生産されてきました。

一方、ウガンダがある東アフリカ地域では、アフリカやイスラームなどが混ざって形成されたスワヒリ文化による独自の布文化「カンガ」が発達していました。布の中に「ジナ」と呼ばれることわざが書かれていることが特徴的で、主に女性たちが身にまとう布として浸透してきたものです。女性たちは、自分の気持ちを表した布を身にまとい、周囲にさりげなく自身の思いを伝えていました。 このような、多様な布文化を持つ東アフリカ地域にも、西アフリカで生まれたアフリカンプリントが伝えられ、アフリカ全土に広がっていきました。

RICCI EVERYDAYでは、アフリカンプリントを西アフリカ・ガーナから仕入れています。
ガーナは、アフリカンプリント発祥の地でもあり、伝統的なワックス・プリント製法によるアフリカンプリントが、多くの老舗メーカーによって作られています。中でも、質の良さと自然環境に配慮した生産工程が特徴的な工場からRICCIEVERYDAYは定期的に布を買い付けています。
通常、布の染色には多くの化学薬品と大量の水を使用しますが、きちんと浄化せずに排出してしまうこともあります。こちらでは水の浄化設備を整え、きれいな水に戻して排出するだけでなく、その水の再利用を行うことで水資源の保全にも貢献しています。

また残念なことに、アフリカンプリントは文化の盗用の問題にも晒されています。
ガーナの各工場で開発されたデザインが、許可なく違法にコピーされ、アフリカ各地のローカルマーケットで販売されているのです。
RICCI EVERYDAYでは、例え丸一日かけてアフリカ大陸を横断することになろうとも、メイド・イン・アフリカと証された生地を調達しようと決め、四半期に一度、工房のあるウガンダからガーナの工場へ調達に行きます。
そこで見る布には、工場の名前が記載されたラベルとともに、その工場でプリントされたことを示すシリアルナンバーが付されており、安心して購入することができます。

鮮やかな色使いと、様々なデザインが魅力的なアフリカン・プリント。実は、それぞれの柄やデザインには、色々な意味が込められています。アフリカン・プリントの中でも人気の柄について、いくつかご紹介します。

例えば、根強いファンが多い代表的なデザインである、波紋(アイ)柄。この柄は、ガーナなどでは井戸を表す「Nsubra」と呼ばれ、井戸に滴る水滴やそこに広がる波紋がイメージされています。この柄には「良い方向へか、はたまた悪い方向へかはわからないがあなたの行動は周りに影響を及ぼす」という意味が込められています。

また、動物柄でも人気のツバメ柄は、「今日の富は、明日の富を保証しない」という意味が込められており、お金にはツバメのように羽が生えていて、しっかり掴まなければお金が飛んでいってしまうということを示しています。元々ツバメは、富や幸運のシンボルとして考えられているため、この柄を通して幸福になるためのお金の使い方を教えてくれているのかもしれません。

さらには、自然環境だけでなく、音楽に関連した柄もあります。ハイライフ(HIGH-LIFE)柄は、ガーナなど英語圏を中心にアフリカ諸国で発祥した音楽のジャンル「ハイ・ライフ」を示した柄です。ハイ・ライフは西アフリカとヨーロッパの音楽が融合した、ポピュラー音楽の総称とされています。この柄を生地に刻むことで、ポピュラー音楽に対する精神を次世代へ受け継ぐ重要性が伝えられているそうです。アフリカ地域の人々の音楽への高い関心を表す柄ですね。

多様なデザインの中に、実は色々な意味が込められているアフリカン・プリント。皆さんもお気に入りの柄を見つけてみてはいかがでしょうか。

【出典】