【2020年12月9日】スタッフの人生とブランドの将来を見据えて

こんにちは。
RICCI EVERYDAY The Hill(代官山直営店舗)スタッフの近藤です。

ウガンダの首都カンパラから車を走らせること約20分。「初夏の軽井沢」とも呼ばれるほど過ごしやすい気候に恵まれた環境の中に、RICCI EVERYDAYの自社工房があり、約20名のスタッフが働いています。

生地を縫うミシンチーム、革の手縫いを行うレザーチーム、きめ細かいペーパービーズをつなぎ合わせる職人、輸出・管理業務に携わるアドミンなど、それぞれが役割を担い、日々仕事に向き合っています。仕事を通じて、ありのままの自分として生き、モノづくりのプロフェッショナルとして輝いています。

RICCI EVERYDAY 誕生の地であるウガンダ共和国は、若年層の人口割合が非常に高い東アフリカの国ですが、シングルマザーとして子どもを育てる家庭も決して少なくはありません。家賃や教育費、医療費を全て自身で払う必要に迫られるなど、経済的困窮に陥りかねない状況も生まれています。
 首都カンパラなどの都市部は、そうした女性たちにとって障壁を感じることが多い環境の一つです。土地は開拓されていくため、自給自足するにも畑がありません。

2015年の創業を前に、代表・仲本千津が目にした状況はまさに、シングルマザーが置かれた厳しい現実でした。その中で、4人の子どもをもつシングルマザー、ナカウチ・グレースと出会い、ブランドを立ち上げるべく、仲本は、ナカウチ・グレースともう2名のウガンダ女性スタッフと共に奮闘しました。

ブランドにとって大切な技術をもつスタッフを雇用した仲本が特に大切にしていることが日頃からのスタッフとのコミュニケーション。
人を中心として進む労働集約的作業、という縫製産業の特徴とスタッフひとりひとりが様々な事情を抱えて仕事に携わっているからこそ、常に心の状態や行動を見守っています。挨拶や相手の心のうちや考えを引き出すために、自らの考えもしっかり伝えます。

「お金の心配や不安ごとは普段の仕事ぶりにも現れる、(ふとした瞬間の)イライラなどの心の内が縫い目に出てきてしまう。職場での横領など最悪の事態も考えられる。だからこそ、経営者として女性たちが安心して、集中して仕事に取り組める環境(構築)が必要」と仲本は言います。
コミュニケーションはいつでも課題の1つと受け止めています。

経営者になる前からも、他者の何気ない心や表情の変化に敏感だったという仲本。そのような時、言葉や雰囲気だけの表面的な一瞬の解決策を提示するのではなく「行動」をもって現地の課題やスタッフが安心して働くことができる環境構築に向き合っています。

「安心させるために、言葉は大切だけど、全ての問題が言葉で解決するわけではない。」

             言葉だけではなく、行動を。

この意識、実はスタッフ含めウガンダの人々も私たちに求めていることなのかもしれません。
今もなお経済格差が目立ち、域内紛争が発生している報告もあるアフリカですが、外国企業やスタートアップ企業が進出していくなど、新たなビジネスチャンスの場として日本をはじめ、多くの国々が注目している大陸でもあります。援助対象からビジネス展開の地へと変化しているアフリカに暮らす人々は、多くの国や組織からやってくる人々によって持ち込まれた考え方や物資に左右されてきた歴史も長かったはずです。

自分の国のことは自分たちで考える、このような強い意志をもった人々が生きる中、依然として日々生と死の間で生きている人々がいる中、外国人である私たちに求められていることは小手先の行動や表面的な言葉ではなく、アイディアを目の前で実践し、それが現実社会で本当に機能していくか、を現地の人々と共に体現していくということなのかもしれません。

RICCI EVERYDAYでは、全てのスタッフが安心して働ける環境を構築していくべく、2つの仕組みを通して積極的にサポートしています。

1. 無利子ローンの確立
 子供の教育費や医療費、生活費など各スタッフにとって必要なお金がまとまって用意ができない場合は、お給料から天引きする形で1回あたり上限100万シリングまでの無利子ローンを提供しています。1年間で何度も申請可能なこの仕組みは、返済プランを立てて、仲本と工房マネージャーのサインをもらって成立します。
 仲本曰く、それぞれがお金を通じて感じる幸せは異なるからこそ、借りたお金を何に使うか、その用途はあまり気にしないとのこと。お金が足りないことへの不安や焦りを感じながら仕事に向き合うのではなく、希望や喜びをもって、仕事に前向きな姿勢を見出す瞬間が生まれることを大切にしています。

2. 医療費の一部負担
 1年間30万シリングを上限として医療費を負担しています。現地では、がんなどの重篤な病にある人々に対しても、まず求められるのが医療費です。お金が用意できなければ、必要な治療にアクセスすることができない厳しい現実があります。健康的に日々の生活、そして仕事に携われるよう、このサポートを提供しています。身体が健やかであることは、どんな状況にあっても侵されるべきではありません。

この2つのサポートはコロナ禍でも変わらず行っており、今年仲本がウガンダへ戻った時にも早速無利子ローンの申請があったそうです。

まさに、このコロナ禍においては、ロックダウンに伴って、経済が停滞し、多くの現地企業が休業補償をしなかったのですが、RICCIEVERYDAYでは補償の仕組みを整えました。 
世界各地でロックダウンが実施された4月は全額補償、5月になると近隣に暮らすスタッフは仕事を再開し、遠方に暮らすスタッフへは有休を使ってもらいながら支払いを行いました。公共交通機関が再開した6月にも60%の休業補償を行いました。

 誰に責任があるわけでもなく、誰も予測ができなかったコロナウイルスによってもたらされた影響の全てをスタッフに押し付けることは公平ではない。そして、何の補償もせずにスタッフとの信頼関係を失い、腕の確かな技術をもったスタッフを手放すことはしたくない。経営自体はマイナスになってしまうものの、これからまた取り戻していこう。

 こうした様々な想いからコロナ禍であっても、スタッフが安心して働くことができる環境を整えました。日々のスタッフへのサポートやコロナ禍の様子を振り返る中で、仲本はこのように話しています。

「現地に赴いた時に、いつも通りの和気あいあいとした職場であることがうれしい。エネルギーに満ち満ちあふれているわけでもなく、かといって悲壮感に追いやられているわけでもない。コロナ前後に関わらず、みなが淡々と仕事に向き合っている様子にありがたみを感じます。」

 急速に変化し続けることよりも、日常が循環していくこと、ゴールに向かってやるべきことを一気に求めるのではなく、一つ一つそれぞれのペースで目指していくことを大切にしています。

 お給料を手にしながら、日々のサポートによって成り立つセーフティーネットがあることに、スタッフ自身も感謝の思いを感じているとのことです。

 「誰かの犠牲の上に成り立つブランドにはしたくない。関わる人々や環境が、将来世代にわたって幸せになるブランドを目指して。」

 バッグ、インテリアアイテムそしてお洋服などファッションアイテムを届けているからこそ、真に向き合っていきたい、ファッション業界が抱えてきた問題。
消費者・作り手が全くの異なる環境に存在していたこれまでのファッション業界では、業界が細分化され、分断されていたからこそ、不透明さが広がる温床となり、結果として環境破壊や劣悪な環境下に置かれて働く人々が多く生まれました。

 RICCI EVERYDAYでは分断されていた人々を繋いでいくことをはじまりに、お互いの存在や力を尊重し、生まれる利益が等しく行き渡る環境を目指していきます。

「個々の想い、お金を循環させていくこと。その過程で生まれる新しいアイディアや想いを受け止めることで、次なる活力となり、実行に繋がっていく。」仲本はこのように考えています。

 その場限りの一瞬の安心感を生み出すのではなく、常にスタッフの人生とブランドの将来を見据ることを失わずに、これからもRICCI EVERYDAYに関わる全ての人々が活力と幸せを感じていけるよう、取り組んでいきます。

<コロナ対策を徹底し、営業しております!>

スタッフは検温の実施および、マスク着用の上みなさまをお迎えいたします。
ご来店いただいた際には、ドア付近にあるアルコールジェルでの消毒にご協力お願いいたします。

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