【2020年9月14日】アフリカン・プリント・ヒストリー(後編)アフリカン・プリントの今

こんにちは。
RICCI EVERYDAY The Hill(代官山直営店舗)メンバーの真崎宏美です。

今回は、アフリカン・プリント・ヒストリー後編として、90年代から現在までのアフリカン・プリントの歴史について、中国によるアフリカン・プリントの存在感や、現在のアフリカによるアフリカン・プリントへの取り組みなどの観点からお伝えしていきます。

  1. 大量生産によるアフリカン・プリントの課題
  2. アフリカによるアフリカン・プリントと現代

  1. 大量生産によるアフリカン・プリントの課題

1970年代以降、アフリカン・プリント市場に中国企業が本格的に参入するようになりました。当時中国製の製品は、他と比べても圧倒的な安さを誇っており、アフリカ全土で大量に流入することになりました。しかしながら、その大半がオランダの老舗ブリスコ社の製品をはじめとする大手ブランドの模倣製品であり、品質もあまり良くないものとしてアフリカン・プリントの質を脅かす問題であると指摘されるようになりました。
さらに、1990年代から2000年代初頭には、中国製の流入により現地工場の閉鎖が相次いだり、中国との合併企業へと転換を図るといった現地企業が続出しました。このような中国製のアフリカン・プリントの大量流入は、未だ経済的な課題が多いアフリカ自身の産業発達や生産力の向上を妨げる問題として、国際的にも認識されるようになりました。

中国製コピー製品の浸透により、アフリカン・プリントの著作権の問題もより深刻になりました。アフリカン・プリントは、歴史的にジャワ更紗のデザインを模倣したことが始まりではありますが、現在の存在感を確立するにあたって、適正な方法で生産している老舗ブランドも多く生まれてきました。しかし一方で、大量生産・大量消費の波を受け、その老舗ブランドの製品ラベルを無断で使用したコピー製品が多く出回るようになりました。例えば、1846年創業のオランダ発の老舗メーカーのブリスコや、ナイジェリア発のメーカーのGCMが開発したデザインやラベルのコピーが、多く流通していることが指摘されています。このような指摘を受け、現在は中国製のアフリカン・プリントも、安価で粗悪なものだけでなく、安価かつ良質な製品が増えるようになりました。

  1. アフリカによるアフリカン・プリントと現代

大量生産・大量消費により認知度は国際的に広まった一方で、質や著作権など多くの課題に直面しているアフリカン・プリント。この課題を受けて、現在アフリカン・プリントを取り巻く環境は、どのように変化しているのでしょうか?

現在アフリカン・プリントは、ワックス・プリントやファンシー・ファブリック共に、アフリカ現地での生産に価値を置く動きが高まっています。このようなアフリカン・プリントの生産の内製化の動きは、1960年代から起こってはいましたが、2010年以降特に国際社会における重要性が高まってきました。この背景には、先述の老舗メーカーのブリスコなどが、従来の一般的な布メーカーから脱却を図り、ハイブランドとしての地位を高めるため、有名デザイナーとのコラボなどを行うなど、世界的な認知度を高める取り組みを積極的に行うようになったことが関係しています。このような取組みの結果、現在はパリやNYなど世界的なコレクションでも、アフリカン・プリントは採用されるようになり、クリスチャン・ディオールなど、有名ハイブランドの商品でも、アフリカン・ワックス・プリントが取り入れられています。

また、アフリカン・プリントは、現代アートなどにも用いられるようになりました。
ナイジェリア系イギリス人アーティストのインカ・ショ二バレ氏は、2019年に福岡で個展を行い、アフリカン・プリントを使った現代アート作品を発表しました。彼の作品では、アフリカン・プリントを通じてフェミニズムや政治的な問題提起が投げかけられています。それらの作品を通して、黒人が受けてきた差別と女性に対する差別の問題の共通点や、そこに対する彼のメッセージを伝えているのです。
芸術作品においても、アフリカン・プリントは重要なメッセージを伝えるツールとして、大きな存在感を放っています。

このように、現在のアフリカン・プリントは、従来のような布の分類の一つとしてではなく、芸術作品やハイブランドとしての価値も見出されているのは、大変興味深いですね!

いかがでしたか?前編中編・後編に渡ってアフリカン・プリントの歴史を紐解いてきましたが、一つの布の裏側には様々な歴史やストーリーが広がっていましたね。
今後も、RICCI EVERYDAYではアフリカン・プリントの魅力やウガンダ、アフリカの様子について、様々な角度からお伝えしていきますので、次の記事もお見逃しなく!

参考資料:
Pan Fabric公式サイト-アフリカ生地・布の歴史-
・「カンガ主張する布」織本知恵子著
アフリカ雑貨アザライ公式サイト−African Print−
・アフリカンプリント−京都で生まれた布物語−  並木誠士・上田文・青木美保子著
POLEPOLE KANGA SHOP公式サイト
「アフリカの布」はなぜヨーロッパで生まれた? 上野千鶴子の名前を記したイギリス発アート   2019年 朝日新聞GLOBE+
Proudly from Africa公式サイト
Vlisco公式サイト

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