ウガンダの工芸にフォーカスした新ライン、"NAWOLOVU(ナウォロヴ)"を始めます

皆さま、こんにちは。RICCI EVERYDAYの仲本千津です。今日は、8月26日で6周年を迎える私たちの新たな試みについてお知らせさせていただきます。


RICCI EVERYDAYでは、ウガンダの工芸にフォーカスした”NAWOLOVU(ナウォロヴ)”という新たなラインをスタートさせます。


 

まず “NAWOLOVU(ナウォロヴ)”というちょっと発音が難しい(苦笑)言葉は、”カメレオン”という意味の言葉です。以下のウガンダのことわざから名付けられました。


"AKWATA EMPOLA ATUKA WALA NAWOLOVU ATUKA KU KIBUGA"


ゆっくり始めれば遠くまで行くことができる。カメレオンもやがて街へたどり着く”


“NAWOLOVU(ナウォロヴ)”立ち上げの背景には、これまで日の目を見なかったウガンダ中に点在する職人たちの巧みな技と、日本のものづくりに対する考え方の掛け合わせをコンセプトに唯一無二のプロダクトを生み出し、彼らの技術や素材の良さを世界に発信したいという想いがあります。


歩みはゆっくりでも、そこで出会う情熱的な職人や、一千年以上続いてきた文化的営み、大自然が生み出す豊かな素材、そして日本のものづくりに対する考え方が融合することで、私たちが目指すべき持続可能な世界の一端が見えてくるのではないか。そのような希望を胸に、この名前をつけました。


 

世界的な感染症の感染拡大が様々な経済活動に影響を及ぼしている中、RICCI EVERYDAYの工房のあるウガンダも昨年から度々ロックダウンが発令され、オリンピック選手の発言にもあったように、多くの人々が苦境に立たされています。ものづくり・工芸を生業とする職人たちも同様に、クリエイティブ活動が脅かされ、素晴らしい技術を持っているにも関わらず、それをマーケットに紹介する機会を得られていません。

そこでRICCI EVERYDAYでは、職人の巧みな技術を生かしたライン “NAWOLOVU(ナウォロヴ)”を通じて、2021年の時代背景を踏まえ、新たな商品の発売、取り組みをスタートさせることにしました。


 

このコレクションラインを通して、ファッション業界における「サステナビリティへの取組み」に関する課題にも着手します。

様々な取り組みが模索される中で、目先の商品製作やマーケティングが目的になり、生産過程における課題解決は後回しにされていることもあります。

 “NAWOLOVU(ナウォロヴ)”では商品の販売だけでなく、RICCI EVERYDAYを応援してくださる方々と一緒にものづくりの上流にさかのぼり、「サステナビリティ」をリアルに捉えるコンテンツ作りも行っていきます。さらには「生産者(ウガンダの職人)」と「クリエイター(RICCIEVERYDAYもしくは日本・ウガンダのデザイナー)」と「消費者(お客様)」の3者がオンラインで繋がる仕組み作りにもチャレンジしていきます。


 

プロダクトは、スタイリッシュな印象を魅せながらも遊び心をくすぐるデザインにこだわり、全体的に色のトーンは抑え、素材や技術の良さを生かした繊細な色味に仕上げました。淡い色味も組み合わせており、女性らしさを表現することもできます。


第一弾は、ウガンダで伝統的に作られてきた木の皮を利用したサステナブルな素材「バーククロス」を、職人の技巧によってその魅力を最大限に引き出した機能的なデザインのバッグや雑貨です。


バーククロスとは、ムトゥバの木から取れる木の皮を、布のように薄く伸ばした素材。バーククロスを作るために木の皮をはいだとしても、適切な処理をすれば約1年後には、木の表面に頑丈な皮が再生されます。

職人さんが丁寧に木から剥ぎ、皮をゆで、ハンマーで薄く伸ばしていく長年培われた営みと技術は、世界無形遺産にも登録されています。バーククロスがウガンダで使用されていることが確認されたのは12世紀のこと。それは綿花がウガンダで広まるよりだいぶ前の話で、「人類最古の布」とも呼ばれています。


プロダクトの詳細は、金曜日のコラムをお楽しみに。


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私たちの試みは無謀かもしれませんが...

“NAWOLOVU(ナウォロヴ)”の由縁となったことわざにもある通り、ゆっくりでもいいからまずは始めてみて、いつかたどり着くであろう新たな景色を、皆さんと一緒に見てみたいと願う今日この頃です。


引き続き、RICCI EVERYDAYをご愛顧いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。



RICCI EVERYDAY

仲本千津